Dシャフトのツマミ購入の際の注意点。
Dシャフトのツマミを交換したい事があります。角度の違いがあるので書いておきます。
おっとその前に何の事だかわからない方に説明します。
日本では可変抵抗器の事をボリュームと呼ばれています。英語圏ではポテンションメーター略してポット。
ボリュームの軸はシャフト、ロッドと呼ばれていて、その先はツマミ、英語圏ではキャップ、ノブと呼ばれています。シャフトの形状は3種類です。
- ラウンドシャフト(ただの円柱)
- Dシャフト(ハーフシャフト)
- ローレットシャフト(プラムシャフト、フラワーシャフト)
呼び名がいっぱいあって困りますね。
Dシャフトのツマミは4種類あります。なぜかというと基板設計時にボリューム本体を0度、90度、180度、270度にどうしても置きたいからです。だったらローレットタイプ(ギザギザ)にしろよと言いたい所ですが製品が出来ちゃっているので仕方がない訳です。
Dシャフトのツマミで有名なのは千石電商本店で売ってるDJ Tech Tools社のCHROMA CAPS SUPER KNOBです。
ついでに画像をお借りして加工して4種について説明しますと。下からの図です。上からではありません。 |
こうなります。
100%日本のシンセの軸径は6mmです。海外製品は1/4インチ(およそ6.3mm)のものがあるので心配な方はノギスで測ってみましょう。
インチのツマミはギター関係のパーツとして入手出来るはずです。
その前にツマミが抜けない?
構造を知る
そのつまみ、360度観察しましょう。
2種類あり、ネジで止めているか、刺さっているだけかです。
上の蓋を外すとネジが現れる可能性もあります。
一番正確なのはサービスマニュアルに書いてあるはずです。
抜く
一番重要なのは下地を傷付けないように抜くこと。Y字板状の引き抜き工具を探すのも手です。
テコの原理で抜く場合は下地にコピー用紙を敷いたり工夫しましょう。自動車用は厚みがあって具合が悪いです。
シャフトの錆もあり全然ダメな時は、ホームセンターでWD-40と先端が斜めでない注射器を買ってきます。
- WD-40(Kure5-56 無香性)をペットボトルのキャップに少量吹く
- 注射器で吸う
- ツマミを下に向けた状態にする
- マーカー下のシャフトに半滴注ぐ
- ジョイスティックのように軽めにぐるぐるテンションを掛ける5~10分放置
- 染み込んだらマーカーから180度の位置で半滴注ぐ
- ジョイスティックのように軽めにぐるぐるテンションを掛ける5~10分放置
- パキッと外れる
- 可能な限りシャフトの油を拭き取る。ツマミは中性洗剤+ぬるま湯で洗う。
ぐるぐるテンションがNGなタイプ
四角い基板実装タイプのボリュームは横に強くテンションを掛けると軸がぶれて戻りません。あくまで浸透するのが目的ですので浸透したら放置しましょう。microKORGは横に強くテンションを掛けてはいけません。「引く」を意識しましょう。
ツマミは壊れてもいいなら 『ネジザウルス」のようなペンチで引っこ抜きます。
ラックマウントのエフェクターには2連ボリュームが使われていますがこれがDシャフトだったりします。
引き抜くのは数時間かかったりしますよ。コツは上下マーカー位置をぴったり合わせてテープで仮止めする事。
抜けた!替えはどうする?
気に入ったDシャフトのツマミが無い場合
ネジで止めるタイプのツマミなら固定できます。
さらに高級品になりますが「コレットノブ」というタイプのツマミがあり、ネジで全体を締め付ける構造のツマミも使えます。
ドリルのビットを固定するのに使っているのが「コレットチャック」です。回して径を変えてます。
はいここテストに出ますよ。(うそ)
抜けた!でも壊れた1
壊れてほしくないシャフト結合部分が割れてしまったら
これは実は難解です。プラスチックも劣化するのです。
中古でも同じ部品を入手するのが一番です。
楽器屋に相談すると古い部品でも残っている事があります。
中古も無い、メーカー在庫も無い、オリジナルで修復したい場合は、
- J-B Weldで接着
- 乾いてからシャフト接合部分の周りとくり抜かれた空間をJ-B Weldで充填
瞬間接着剤で割れた部分を修復できても、今度はツマミの根元の部分から割れるのが想像できます。
粘土のように全体を充填補強しなければすぐ壊れてしまうでしょう。
ツマミとVRの間にエクステンダーが入ってて無くした・壊れたら
VRとツマミの間にエクステンダーがある事があります。エクステンダーは汎用のものはありますが
Dシャフトのエクステンダーは輸入出来ますが、ローレットの場合は中古・メーカー取寄せ。それでも駄目ならワンオフで作るしかありません。
以上、Dシャフトのつまみと、つまみのトラブルについて書きました。
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