説明しよう!
シンセの二次電池はSRAMと呼ばれる微弱な電流で内容を保持できるメモリーの為に存在しています。
電圧も2.9Vとかになると「Low Battery」メンテに出せ!となるわけです。
メンテに出せというわりには電池が半田付けされてたりして容易に外せなかったりします。
上のようなボタン電池ホルダーを付けて交換をしやすくする改造をされた方も多く見受けられます。
一般の方にはまったくお勧めしません。
しかしメーカーに出さず私の所に来る機体は結構改造されていますので見過ごすわけにもいきません。
今日紹介するのはメンテナンスする一部の技術者向けのパーツです。(自分用ですけど)
数々の難関
ボタン電池の交換の際は色々問題が発生していました。
- 電池が外せません。
- 電池ホルダーが周りの部品と干渉し、メインボードに収まらない。
- 取り付けようとするホルダーのピン間隔が20mmであり、メインボードの電池は16mmなので取り付けられない。
- 電池を外したらSRAMの内容が消去され音色データが全て消えた。初期化ディスクはあるがFDDは故障中。あるいは起動しなくなった。SysExファイルが見当たらない等。
外せないのは設備環境の問題なので他の専門化に頼みましょう。喜んで作業してくれるはずです。
ほかは全て悩ましい話です。2本の線を繋げてテープでホルダーを張りつけて、私の手元に来た時にはテープは剥がれ中でカラカラと音がし、メインボードがベタベタしていた事もあります。ボタン電池は表面が+なので他の部品に触れて故障します。うまく固定出来ないと非常に危険です。
通常メインボードの上の空間は20mm以上のクリアランスがあるので電池を縦に配置すると解決出来る事に気付いていました。ピンの間隔の違いは特殊な薄い基板を使い変換して対応していました。
普通に動作しているシンセなら電池を外す際はSRAMに電流を流しながら行っています。
(既に死んでしまっているシンセなら容赦なく外します)
SysEX経由で初期化する場合はメーカーにあればそれを使いますし、ここのサイトを使う事もあります。
最近サイトデザインが変わった!
送受信にはBome SendSX 1.40を使用していますがそれぞれの環境にあったアプリが必ずあるはずなので探しましょう。
周囲の部品との干渉問題。ピン間隔問題。SRAMが消える問題。を解消するのがこのモジュールです。
あらかじめ並列に電池を繋げられるソケットがあれば古い電池を交換出来るという発想。
シンセに使われるボタン電池のピン間隔のほとんどが16mmと20mm、希に23mmです。
東京の秋葉原界隈で一般的なホルダーは20mmですので16mm変換と縦配置と電池交換の際、横から電力を供給出来ればよいのです。
3つ端子が見えますがL字のピンヘッダーの細いタイプをメインボードに合わせて都度半田付けします。
LEDが付いていますが横から供給時のみ光る仕様です。横からの電力が逆であるトラブルを防止してダイオードを付けています。LEDが光っている状態で電池交換すれば初期化の悩みは無くなります。
極性防止対策でピンコネクタ(ピンヘッダーは端子がむき出しですがコネクターはメスなので金属が隠れていて安心です)に赤い部品を用意する予定です。
ピン間隔16mmの場合+の方向に5x5mmのクリアランスがあれば設置出来ます。
簡単なので回路図見なくてもパターン写真だけ見れば技術者は苦笑いするでしょう。
作り手はなぜこのくらいのクオリティコントロールをしなかったのか、部署間の連携が無いのか、イメージが悪くなるばかりで残念でなりません。
使い方?同じものが2つあれば解決。
うちはブレッドボードでテストもする都合上、秋月の「CR2032電池電源ボードキット」を使ってますが電源の供給がしやすければOKです。
https://akizukidenshi.com/catalog/g/gK-09184/
https://akizukidenshi.com/catalog/g/gC-08933/
https://akizukidenshi.com/catalog/g/gC-08932/
ほんと秋月電子にはお世話になってます。
ちなみに私の知る横から電源供給する仕組みを持った設計をしているメーカーは・・・
ベーリンガーだったりします。(小声で)
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