Korg T1の上にEurorackを置こうと思った。
これが動機な訳ですが、ケースサイズが小さな物から大きな物まで色々ございまして、T1の上なら横幅があり過ぎて1400mmだと275HPは置ける計算です。2段で550HP。3段で825HP。
んー背面や補強を工夫すれば作れそう。FEM解析の出来るCADは高額なので持っていません。こつこつとプロトタイプを作るつもりです。
巨大なモジュラーシンセには分配部分に問題があります。長いケーブルが大量に必要になるのです。
- Eurorack内のバス使用が電源コネクタにモノシンセ用のCV,GATEがあるのみ。ポリフォニックを想定すると足りない。
- 分配をセミモジュラーのように効率よく行い、短いケーブルでアクセスしたい。バス構想。
- 格子状のmatrixスイッチもカッコイイですが結線がカオスになる。
解決策としてDOEPFERはA-180-2,A-182-1,A-180-9 Multicore
Moduleが存在し。intellijelのMult,Mult 1U,Octalink 1Uが存在します。あるいはパッシブなパッチベイが下に大量に必要。
私個人としてはOctalink
1Uのアイデアがいいですね。DOEPFERは最初Etherケーブルからスタートしていなかったので現在のA-180-9規格を廃止し、intellijelのような規格に改めるべきだと思います。
という訳で自分の為にEtherケーブルによるシンプルかつ自由なバスを設計します。名前は「Link8」です。リンケイトと呼んでください。Altern8大好きです。
パッチベイで今までやってきたのになぜバス?
バスはシンセの限界を狭める要素として市販のシンセサイザー設計に使われてきました。
CVはVCOとVCFとEGに作用するようにと設計者が固定してきたわけです。
モジュラーシンセサイザーは完全に自由を勝ち得た訳ですがモンスター化すると手に負えません。
Link8はCV、GATE、LFOのクロック違い、S/H1、アナログシーケンサーループ、ドラムトリッガーループ、オーディオ信号以外のあらゆる信号をあなたのアイデアでバスにセットし、好きな場所から信号を取り出せることを目的としています。
これが各モジュール群の間に複数あれば便利でしょ?まだこのバス構想が理解出来ませんか?
MIDI-CV変換モジュールが250HP先にあってもバスの概念があれば隣からCV4つとGATE4つにアクセスできるのです。
少なくとも1500mmなケーブル8本は省略出来ますね。
- Etherケーブル(シールド付き)。アースは共通でシールドを使います。
- 電源を必要とせずパッシブ。バッファー(電流増幅機能)はありません。
- 直列に抵抗があってはならず、並列には端点に100pFを設置。
- EMI対策。サージアブソーバー。はマストではない。
- Eurorack内バスにはバックパネルから分配。Eurorack間接続はフロントパネルを使用。
- スター型接続が基本でありデイジーチェーン型接続は非推奨。
- Etherケーブルは曲がりづらいので奥行は基板が30mmだとしても100mm必要。平型でも50mmに収まるか保証出来ません。つまりskiffは非対応。
- モジュールのそばで分配が必要な場合と必要が無い場合がある。モンスターの規模によるので基本は分配しない。
A-180-9 Multicore
ModuleやOctalinkはEurorack間接続を目的に設計されていますがローカルなバスには着目しておりません。
オーディオ信号はこんな高圧のパルスだらけの中に混ぜてはいけません。使えますがノイジーだったり音量が下がったりクロストークに影響が出るのでA/D変換して光ケーブル使うとか別の方法を考えるべきです。私自身の構想はあります。
最初はOctalinkの存在を知らず、絶縁型4chバスを考えましたが、それはそれでアースが不定である場合には有効ですしオーディオも流すには良いものが出来そうです。Octalinkを知ってしまうと、この考えは封印しました。
パッチベイで充分と感じる方にはこのLink8の必要はありません。
回路図を何種類か書いてみました。
Link8 Model-B Schematics |
これはバックパネルにEtherのコネクターが2ポート、フロントパネルには無いモデルです。H16,H17はネジ穴です。ネジ穴からノイズが入りそうだから切ったほうがいいのか、フレームグランドとして繋がっていた方がいいのか、答えがありません。銅パイプの3.2mmネジ穴ですから物理的強度があります。回路図ではJ29~J36が下から番号を振っていますが基板設計では上から下に並びます。
TRSフォーンプラグ(Tip(先端のチップ左ch)Ring(リング右ch)Sleeve(スリーブはフレームグランドと接触)の)を受けるコネクタと100pFをトリッキーに使っています。100pFを繋げっぱなしにしたとしてもマイクロ秒単位の波形の鈍りが発生する程度の影響です。無くてもよほどのことが無い限り動きます。ベターかベストかの違い。「贅沢」「高級」「マニアック」な製品と思ってください。
Model-Aは最上位モジュールでバックパネルにEtherコネクター4ポート、フロント1ポート でマニアックな設計がてんこ盛りです。Model-CはOctalinkをリスペクトしModel-Bの1U版になります。
立ちはだかるコストの問題。
このテーマは永遠に解決できません。電子部品で一番値段が高いのはコネクターです。今回はフロントパネルを基板で作っているので高いです。こういう時、アルミの折り曲げや切断の出来る大田区の小さな工場とつながりがあればと思うのでした。
基板設計。フロントパネルに空けるEtherコネクターの四角い穴が別料金。
基板で四角い穴は別料金です。
でもUラックのネジ穴のような細長い穴は無料です。ドリルは0.5mm以上、穴間隔0.1mmだそうです。
基板屋が断れない程度に穴としてフットプリントをでっちあげます。
0.6mmの穴と8mmの穴で四角い穴を作成 |
0.1mmで繋がっているのでニッパーで左右を切ると押しただけでパキッと割れます。
0.3mm狭いのでコネクターは入りません。
角を0.05mm以上やすり掛けすればOK。精度は0.05mm以下なので満足な結果が得られました。
ありがとう!
パーツがそろったらまた書きます。
コメント
コメントを投稿