AT互換機で一番FD吸出しに適した環境についての考察。

フロッピーが絶滅寸前です。

 電子楽器の世界ではメモリーカード、QuickDisk、FloppyDisk、ZIP、CompactFlash、SD、USBメモリーと変化してきました。(あれ?Rolandのあのメモリーは?(答えはスマートメディア))

フロッピーはサンプラーの出現と共に保存の中核を担う重要なデバイスでした。サードパーティーから音色ファイルが売られましたし、Ensoniqのパブリックドメインディスクも御茶ノ水で出回っているのを見て凄い時代だと思いました。しかしFDDは進化を止め、CDRやDVDやHDD、そしてメモリ容量が乗数で増加し過ぎたおかげで、コンピューターの世界ではWindowsXP以降の機種には採用されず需要は無くなりました。

KORGのT1、T2,T3のFDを何とか吸出したい。

手元にT1初期化用ディスクがあるので、これを吸い出したいのですが、USB-FDDとかでは無理でした。ある程度昔の環境を用意しなければなりません。PC98系は8インチと5インチ環境しかありません。MSXは持ってません。X68000も5インチだ。 

そもそもWindowsは仕様の違うT1のディスクは読めません。

TSD-00PIを入手したい人はこちらへどうぞ

https://gearspace.com/board/electronic-music-instruments-and-electronic-music-production/1361510-where-find-korg-t1-disk-images.html


T1のFDDフォーマット仕様

80 tracks, 2 sides, 10 sectors/track, 1024bytes/sector => 1600KB total

いっぱいいっぱい使えるように中の人が考えたのでしょう。

アプリの問題。OSの問題。FDCの問題。

  • WindowsアプリはMS認定デバイスドライバー経由でアクセスするのでセクター長を変えて読むなんてことは許されないのが普通です。Windows98がリミットかな?
  • USB-FDDがとことんダメ。Linuxはddコマンドで出来るはずなんですがUSB-FDDだと認識しなかったりします。そもそもBIOSで認識したデバイスを元に動くOSなので最初からFDDが繋がっていないとdd出来ないでしょう。T1のディスクを吸い出すddコマンドは
dd bs=1600K if=/dev/fd0 of=/tmp/floppy.image conv=sync iflag=direct
 
CPUが16bitや32bitとなるとOSが限定されるのでFreeBSDのほうがいいかもしれません。
  • DOSの起動ディスクを作ればいけそうです。イメージの保存先やメインメモリーの心配がありますが、ディスクイメージ読み込みに特化してドライバーを絞れば良いでしょう。
  • FDC最強はADAPTECのAHA-1522AとALiのM1541/M1543を持つFDCです。 
このリストは素晴らしい!good job!日本に来たら食事おごってあげるよ。

 FDC最強にNECが上がらないのは、AT互換機路線になった時FDDを採用しなくなったから。VALUESTARからFDDは付いてないんです。

ISAバスのSCSIカードを探せ

 ADAPTECを使うとなると、AHA-1522Aの他にAHA-1522B AHA-1542B 一番日本で入手しやすいAHA-1542CF があります。AHA-1542CFの殆どがFDC部分がインテル製で、シールをはがさないと確認出来ませんが、殆どが使えないと思います。DTC DHB18AのFDCはNational Semiconductor DP8473Vを使っているのでADAPTECと同様に使える可能性が高いんですが、ドライバーを探すとなるとLinux以外のOSでは難易度が上がります。

ISAバスのPCを探せ

自作PCとなると最後まで作っていたのはGIGABYTEやMSIのマザーボードです。ISAバスを持つボードはP4時代で姿を消しています。USBポートがあった方がマウスやキーボードが使えるので便利です。MMXとかだと周辺のパーツ入手が困難です。運が良ければ全て揃う事が出来ます。

私が調べた結果、最強最後の市販PCはFC98-NXのFC-D21AにADAPTECのAHA-1522Aを差す事です。ファクトリー向けなのでこれも運が良ければ全て揃う事が出来ます。

ALiチップセットのマザーボードを探せ

 ALiのFDCを採用しているマザーボードを使っているメーカー・・・Acerを使っていたIBMとFujitsuです。Aptiva好きなんですけど入手性となると日本ではFujitsu一択です。M1541は開発当初はチップセットとして使われてたのですが型番が上がるにつれシリアル・パラレル・FDCを統合したチップに変化してFDCが入っているにもかかわらずマザーボードにパターンを引かない設計まで落ちぶれるという不遇な最後を遂げています。ALADDiNですよねぇ懐かしい。Athron辺りでUliに社名変更してFDCが使われなくなっています。

取敢えず2DDだけで良いならAT互換機でなくても良い

 特定の機種だけ吸い出したいのであれば機種に合った2DD、2HDといったドライブを搭載したノートPCで充分です。AT互換機でなくてもPC-98やMSXでもAMIGAでもいいです。値段や中古ドライブの入手しやすさを考慮した方がいいですし、古い機種は電源周りのコンデンサーを総交換を考えた方がいいです。

吸出しに使えるアプリケーションソフトウェアは多種多様。

 アプリはAT互換機ならOmniflop が優秀です。もちろんHxcのDiskBrowserも優秀です。Linuxのddコマンドでもいいです。どのPCでもその時代のOSにあったバックアップアプリがあるはずです。

書きたい事はここまでです。

NEC FC-D21AとAdaptec AHA-1522Aを入手しました。その次は?

 もちろんFDDが必要です。3.5,5.25,QD。QDはまだ必要が無いので調べてませんがそのうち考えます。

 利用目的が電子楽器ですので全ての容量・回転数を網羅はしません。FDC無しのShugartなディスクを繋げればよいのです。トラブルが少ないのは2HDなら2HD専用のドライブを繋げるのがシンプルです。現在持ち合わせているのは8inchドライブと3.5inchの2DDドライブなので自分のEnsoniq Mirageの2Dドライブを使えるよう考え中です。5inchドライブはOberheimとE-muくらいですが所持してないのでこれからの人生で出会えたら考えます。 

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