Roland Wireless Connect
今回はビンテージではないです。尊敬するR社には近年新技術を使った楽器演奏への新たな提案をしていただいておりますが、5年もたてば製造終了、次機種も無しと、ユーザーから残念無念の声が聞こえております。今回はその一つ。 WNA1100-RLの話。
WNA1100-RLとは
簡単に説明するとWNA1100-RLはUSB端子に差す無線LANの子機です。Windows7なPCに挿せば自動認識されます。チップセットはAtheros AR9271です。通信は802.11b/g/nが使えます。802.11a,acに対しては使えません。以上。
WNA1100-RLはどうやって壊れるか
無線LANのチップセットの故障は、ほぼファイナル(日本の無線用語です。アンテナに一番近い最終段の増幅装置をいいます)が3年も通電すると熱劣化により動作しなくなり、受信は出来ても送信が出来ない状態で壊れます。こうなると送受信一体型のチップセットですからチップセット自体の交換となりますが取り外しが困難な為、新品交換となります。対策としては通電しないか高効率アンテナを付けて電波出力を熱エネルギーとして逃がさないことと、チップセットにヒートシンクを付けることです。これで5年は連続動作出来るでしょう。ただしこの対策を行う価値は無いという業界の風潮によりこの種の無線LAN製品が対策の無いまま製造されています。大体真面目に作ると鉄のケースに入って熱を逃がし3万円の製品になります。さすがにそんな製品を売り出すと普及しません。低価格な物を買い繋ぐことで折衝するしかありません。
現状の問題点と解決方法。
そんな性質の製品なのにR社は買い繋ぐ事をさせてくれません。楽器側がAtheros AR9271(AR9271Lも動くが対応機種がさらに減る)しかサポートしないからです。チップセットのメーカーは上位互換製品を作ってどんどん小型、少熱量、省電力化の努力をしていますが、それは使えません。(チップセット型番の応答部分をHackingすれば可能だが)なので存在するうちに複数買っておくしかないのです。これはビンテージシンセの修理と話が似ています。
いやいやいやいや、R社さんの商品寿命の問題って日本の楽器メーカーの中で一番多くないですか? 定期的に故障するんですよ。何十年も使いたい楽器だってあるはずです。
影響のある製品リスト
JUNO-Gi, JUNO-Di, Lucina AX-09,BK-3,FR-1X, FR-1Xb, FR-8x, FR-8xb,M-480, M-300のユーザーは諦めましょう。特にJUNOユーザーは残念です。Roland Wireless Connectは無かった事にして下さい。
以下互換品の ONKYO社製UWF-1の使える楽器リストです。
シンセサイザー:FA-08, FA-06, JUPITER-80, JUPITER-50, INTEGRA-7
コンボオルガン:V-Combo VR-09
ピアノ:RD-800, RD-700NX, RD-300NX, FP-80, FP-50, LX-15e, LX-15, HPi-50e, HPi-50, HP508, HP507, HP506, HP505, HP504, HP503, DP90Se, DP90S, DP90e, DP90, RP401R, F-130R, F-20
Vドラム:TD-30, TD-15, TD-11
Vミキサー:M-200i
ビデオ製品:XS-84H, XS-83H, XS-82H
これだけの製品を使うユーザーが困っていて、互換品で救われるわけです。
探してみたところ同業他社で同じような記事を見つけました。
http://nimfdd.starfree.jp/diary/ (2021/10/10(日))
「アンテナが大きいですが、取り外し可能。」とありますがアンテナを取り外しての通電は発熱しますのですのでご注意ください。 アンテナ無しで使うと経験上1か月で壊れます。
下にはQY700のLCD問題か、そこまで変換基板大きくしたくないな。と、その話は置いといて、と。
アマゾンでも取り扱いがありますね。レビューはINTEGRA-7ユーザーです。
https://www.amazon.co.jp/Vbestlife/dp/B09LR1TYPX
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