TA7136P,TA7136APとはどんなIC?なぜこれが必要か。
TA7136APは1970年代後半の1回路入りのopampです。
4558より昔のもので有名どころではBOSS DS-1。
ラジオ、カセット、オーディオ関係全般のプリアンプに使われていて、TA7136Pの改良版がTA7136APです。
形状がSIP-7(Single In Pin Line)という足が1列7本なので修理の際はTA7136APと交換するか変換基板で汎用のopamp(DIP-8(Dual In Pin Line)2列4本)で置き換えるかの2択になります。DS-1の修理なら迷わずTA7136APを使いますが、歪み目的ではなく品質を上げたい場合はTL072CPに替えるだけでも明らかに煌びやかないい音です。
今回は歪み目的ではない方の為の変換基板を作ります。
さらに云わせてもらえば。
TA7136APはなぜか壊れやすい。私の手元に来る機材は大体壊れている。
発信しやすいICなので、周りのコンデンサーの劣化により壊れたのかもしれない。
ともかく大量に故障されて厄介なopampなのでビンテージ機に対しては交換が成功しても適切な措置ではないのです。
採用する2回路入りopampは出来れば単電源ではないもの。正負15V以上でドライブできるもの。ローノイズで4MHz以上でオーディオ信号用であればオリジナルより悪くなることは無いでしょう。NJM4558Lがあるじゃないですか?
いいえ、形状がSIP-8なので使えません。
1列7本足のopampを探すより8本足を変換した方が自由度があるので良いと思います。
早速KiCAD6で設計しました。
- 2回路入り汎用opamoの形状を3種類対応。いずれかに1つ半田付けして使用します。
- 裏面にSOP-8のNJM4558M、表面にSIP-8のNJM4558LとDIP-8のNJM4558DDの3種類
- TA7136Pとしてのヘッダーピンを取り付けるのはL字アングルなタイプを表裏どちらにでも付けられます。長いストレートヘッダーピンでコの字状に浮かせる事も出来ますね。オリジナルよりも高さも奥行きも増えるので周囲部品と干渉しないように考えましょう。
- opamp2回路を並列接続しているので扱える電流は倍に近いですが、こうした余裕あるドライブが故障が少なくなる事を期待しています。
- 信号線に10pf位のコンデンサーを入れたい所ですが、ビンテージ機によってはそういう措置済みの設計である場合もあるので何も付けない方が動作上正しいと判断しています。
- サイズは14mmx22mmです。
サイズとしてはDIP-8を1つ変換する設計だと14mmx20mmなのでほぼ限界の小ささですね。0.5mmの配線で全て描けました。
ガーバーデーターとドリルデーターを出力して発注します。
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