LEDのVf値をプロ用の直流安定化電源のみを使って計測してみよう!

トランジスターチェッカーがあるのに別の方法で計測する意味は?

1N60のVf値測定をGM328Aで測定してみましたが、直流安定化電源を持っているのでこれを使って測定出来るので紹介します。
そもそもトランジスターチェッカーは値を見てマッチングするには充分ですが何mAのVf値なのか出ていませんので基礎を学んでいる方からすれば「10mA時の順方向電圧が何ボルト」と解る方が気持ちが良いのです。それに直流安定化電源なるものは大学や研究所や製造の現場にある高額な機器です。精度は確かですのでVf値を測るならこちらのほうが256倍信頼できるのです。プロの機器というのは定期的に測定器メーカーに「校正」に出して誤差がありません。正しい値の測定器があれば正しく動作する高信頼性製品が作れます。(ちなみに直流安定化電源の価格は中国製であれば1万以下です。中国製でも中国に送れば有料で校正してもらえるそうです)

 

トランジスター計測の予告はどうなった?

次回トランジスターの計測を予告しておりましたが、思いのほかトランジスターチェッカーでは信頼性が落ちる(計測値に自信が無い)のです。夢枕にBobが現れ、「わしが回路を教えてやったはずだからそれを使いんしゃい。知っとっと?」と教えてくれましたので、1から専用測定器を製作中です。

直流安定化電源のうまい使い方。定電流モードとは?

あらかじめ電流の上限を設定し、電圧を上げていくと・・・電流が上弦に達した時点で電圧がそれ以上動きません。
可変抵抗を入れるわけでもないなんとも安全なモードです。
これが定電圧モードになると・・・とんでなく部品が壊れそうなモードです。
他にもモードはありますのでリンクを貼っておきます。
 
 

実際に測ってみよう。


 
電流を10mAまでに制限し、電圧を上げると、Vf値で電圧が止まります。これが定電流モード(CCモード)です。
電流のLIMITを10mAにして電圧を上げるだけなんですけどね。デジタルで読めるのでトランジスターチェッカーよりも精度が良いです。
結果は1.599Vの1mA以下で光はじめて 1.985Vの10mAで電圧が不動となりました。0.1V単位で動かしてしまいましたが0.01Vで動かせばよかったかな。
LEDなら20mAでは?と思うでしょうが、20mAは眩しすぎるので使わないです。いろんなアンペア数のVf値が読める事が目的であるのでこれで良いのです。
あとはcdsで明るさを測って他の色のLEDと明るさを合わせるには何V何A流せばいいかこれでわかります。

他にも測る方法はあるの?

あります。テスターでダイオードチェック機能が付いている場合、ほとんどが1mA時のVf値が測定できます。これだとLEDは光って見えませんね。ブザーが鳴ってはいOKと思ってた貴方。1mAだったんですよ。ちょっと勉強になりましたね。 

今後の予定。
この計測の沼の行き着く所は
  • ダイオードはVf値の計測
  • トランジスターはVf値に相当するVbe値と増幅性能のhfe値
  • おおよそ同じ型番のトランジスターのVbeがマッチする物はhfeも同じくマッチするか検証
シンセサイザーを作る人はVf,Vbeのマッチングが重視されます。(この電圧で複数動作してほしい)
アンプを作る人はhfeのマッチングが重視されます。(左右、+-で同じ増幅であってほしい)
更にアンプを作る人は同じ思惑でNPNとPNPでもhfeを近づけるのが理想的です。
これを計測するには
  • 精度の高い設計
  • 精度の高い部品(Matched Pairesな部品や選別品、高精度品の使用)
  • 精度の高い測定器(といっても0.1mVの精度が出ればOK)
  • 精度の高い計測環境(25度の風をあてる恒温環境)
こんな感じでしょうか。プロトタイプ作りが進行中です。アイデアとしては
  • 室内温度を25度以下のエアコンの効いた部屋にする。
  • 段ボール・発泡スチロール箱の類に対象物を入れ、中でPC用のDCファンを回す。
  • 計測器とスイッチャーは箱の外。
  • ペット用に使われる恒温装置に加熱はヒーターを、冷却は外気導入で25度を保つ環境を箱の中に作る。
  • スイッチではとても高額になる為3Pピンヘッダーとソケット等で切り替える。
こんな感じでしょうか。

コメント