MM5824N入手。Korg PE-1000,PE-2000,PS-3100,PS-3200の波形生成IC。HAMMOND X-5 6-Stage Divider 1970

MM5824NとはどういうICか。

Top Octave Synthesizer (TOS) ICという1つの回転モーター(発信器)を歯車(分周器)で鳴らしっぱなしにするという概念で作られた物です。1970年代の特注ICのため一般には売られていない。データシートにもありません。けど入手しました。

興味がある方はこちらをどうぞ。SSLでページが保護されていませんけど害はありません。

http://www.armory.com/~rstevew/Public/SoundSynth/TopOctave/topdividers.html 

これは・・・1個5,000~12,000円ですね。

12~14個セットで設計する物ですのでAの4'が出ていない等の修理には1個の交換で済みます。

ただ1個壊れるならこれから他も壊れてしまう可能性も否定できません。電源やどこかコンデンサ抜けを確認した方がいいでしょう。音量不足とか気になる所があれば尚更危険が迫っています。まぁ70年代の物ですから。とは言え京王技研もこれを自社最上位のアナログシンセの音源部に採用しています。実機をお持ちの方、博物館級のコレクターの方はいかがでしょうか。

そもそもこの型番で判断出来る目利きの才能なんて当時の開発者以外は日本でも数人かと思われます。需要も無いですし。

研究用に回路例をどうぞ。

HAMMOND X-5

KORG PS-3100,PS-3200

KORG PE-1000,PE-2000

この時代が終わり、80年代以降VHDLで作り直して熱で壊れてジャンクになる電子オルガンが大量に作られる事になります。そしてメーカーは基板交換しかしないのであっという間に修理不能になります。KORGじゃないですよ。

ちなみにKORG PS-3x00は今ではレアな4558を大量に使用しています。どっちがレアといえばシンセのほうがレアですけどね。あと最後4ではなく3のほう(MM5823N)はポリムーグ用のICで有名です。有名といってもこういう業界の世界で数十名しか知らない内容です。実機と回路図さえあれば再現可能ですが何よりオリジナルに勝るものはありませんね。でも4558は取り替えた方がファントムでなくモンスターとして君臨し続けると思います。アナログの回路部分はSCIにしろYamahaにしろ年月が経てば出力が劣化してしまうのでそこを良しとするのか。暴れ馬として君臨し続けるのか。その楽器は幸せなのか。貴方が幸せなのかという幸福論の話になります。修理は原状回復。改造は楽器と人間の原点回帰。

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