トランジスターを使ったPower ON/OFF時用のミュート回路をシミュレートしてみた。

MUTEといえばMUTE Records. ではなくて消音機能です。

高額な電子楽器には必ず付いている回路です。これはそのトランジスター版。FET版もありますがFETって入手性が悪いのでトランジスターのほうが良いかと。
電源を付けると「ボフッ」と鳴るのはスピーカーに優しくないのです。エレキギターのシールドをいきなり抜き差しするのもスピーカーに優しくないのです。ボイスコイルがMAXに動いてへたすると焼き切れて無音になるか支えているダンパーが破けてノイズ交じりで音量が小さくなります。アンプのボリュームを下げてOFFが出来なかった事を想定してこの回路を入れておくのです。
 
で、MUTEレコードで一番好きなのはデペッシュ・モードですかね。イレイジャーですかね。ヤズーですかね。
では回路図を説明します。
 
 
半分波形が欠けるのはトランジスターが作用している証拠です。


私の知る限り一番簡素なMUTEです。
上がオーディオ信号が常に爆音で鳴り続けています。
左は5Vの電源監視になりますがわざと0~5Vのサイン波で波形を観ます。
まぁシグナルの大きさで減衰もかなり変わるんですが2SC2878が動く=グランドにオーディオ信号を流してしまうという仕組みです。
電源投入時と電源断時に2SC2878とコンデンサーのアンペア数が上がります。電源断の時は電源のコンデンサーに残った電力でMUTEします。
シュミットトリガーやコンパレーターでの電圧監視でも2SC2878までの信号を作れるのですが部品数が結構多くなります。
ではさっそくシミュレートしてみましょう。
 
 
抵抗は左から100,220,1kでもアンペア数的にもまだ大丈夫ですが220を0にするとアタックもリリースもしない系のMUTEになるので今回の目的ですと220,220,2.2kで良いかと思います。

そもそものきっかけはWaveKitなんです。

これを作るきっかけがWave Kit SA-13の基板を追ってたからなんですが、現代では部品の入手性が悪過ぎて色々と手直しが必要になります。
SA-13オリジナルの電源回路を入手可能な限りで回路図書いてみました。オリジナルの回路図をお持ちの方、ぜひ見比べて下さい。LM723のVZピンはCANパッケージには無いですしピン配置もちがうけどちゃんと移植しましたよ。

 





オリジナルはオペアンプに4558、トランジスターは2SC733,2SA495,2SA699となっているので入手性のよい互換品を選択しました。LM723と2SC1173の値段がが高い!修理以外には使いたくない!せめてLM317/337使ってほしかったが・・・この頃なかったっけ?無いか。無いですね。
オリジナルの回路でやりたい事は大体解りますが今その技術は使われなくなりました。3端子レギュレーターICが現れたのです。
手直しすると

 
んー・・・スペース余っちゃうよね。
というわけでMUTE回路を付ける事にしました。A4横サイズに縦に回路を並べて敷き詰めると結構詰められる気がします。
トランジスターよりオペアンプ中心の設計でしょうね。MUTE回路のように小さい所はトランジスター使いますけど。
VCFも改造していいですか?EGもNGもLFOもVCAも。
出来たら配線周りもメンテしやすいように・・・どんどん別物になってしまう。hi
オリジナルSA-13は作れなくないですけど新たな回路に置き換えないと実用性が悪いのです。箪笥のようなシンセが収まるならともかく、調整出来ない玩具は望んでいません。なのでPaIA Fatmanと同じくアナログシンセキットは名機とはならなかった理由がここに起因すると思っています。
これはそのまま作る価値無し、と早々に結論に達しました。オリジナルを作ったメーカーも安くて簡単に作れる製品を目指したい中で不良率の高いアナログシンセキットを売るのは好ましくなかったでしょう。情報も測定器も無いのに敷居が高過ぎです。
例えば正確な440H,880Hzzは必要ですし正確な1V,2V,3V,4Vは必要ですし、市販品の温度補償だけでは音程が常にずれますしそれに対しての調整ボリュームをパネルに持って来ないといけません。それが設計されていたらテスターだけで調整がとれて名機となっていたでしょう。まぁ1000台売れて調整出来た名機が1~2台では名機とは云えないのです。
極端な話、周りの部品が10%の誤差があるということは最悪12Vと思っていたものが10.8Vになる可能性があります。ツェナーダイオードは当時存在しているので基準電圧装置と比較する事は必要です。

私ならパネルを作ったら同時に配線間違いの無い様に線を設計します。コネクターは高いので使いませんがフラットケーブルか多色の線を工夫するでしょう。
 

事情通のチャッタレス・奥山

それでは最後に当時の裏事情を教えてくれた「チャッタレス・奥山のいいたいほうだい シンセサイザーの自作について」を読んで奥山さん流石だね。ジャーナリストだね。という記事を紹介ておきます。
 
 
P誌というのは米国のポピュラーエレクトロニクス誌かと思われます。
1ページ戻すとKorg  800DVが15万!!!。その上の北海道マイクロコンピューター研究会の青木由直教授ってハドソンソフトの最重要メンバーだった中本氏の大学生の時の恩師です。モデムとか高度なハードウェア設計で有名なB.U.G.も青木由直教授の所ですよね。デービーソフトも確かここですよね。ご存命なら一度会って話を聞いてみたいものです。
 

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