もっと精度の高いTL431,LM431系シャントレギュレーターを想定したシミュレートをしてみた。

 LM431,TL431は凄いICです。

何が凄いかというとツェナーダイオードの5%よりも精度の高い2%で周りの温度変化の影響が少ないのです。
そしてお金をかければ1%、0.5%と精度の高い部品が入手出来ます。
これはツェナーダイオードであれば選別するしかありません。
 
黄色い部分が生活環境温度

このグラフ縦軸は拡大しているので騙されないように。個体差で2%縦に差があり、温度で0.01V変動します。
つまり2.495Vの固体に当たれば0.0025V程度しか変動しない超選別品となります。すごいでしょ?
そしてこれが2%の表であって1%なら縦幅が半分。0.5%なら1/4の幅に収まった固体がメーカーで計測し保証されます。
そこまで正確で動かない電圧要るの?と思われるでしょうが、シンセサイザーは楽器ですから、電圧のせいで1Oct/Vが守られなければ人間の耳にはすぐこの楽器は壊れてると判断出来ちゃうのです。
 
そんな高精度なデバイスですがTLやMLが先頭についているのでアンプICの一種です。
 


基本は2.495Vという基準電圧なんですが、中身がツェナーダイオードのような単純な構造でなく、コンパレーターで出来ています。
多数のトランジスターに正逆の電圧をかけるので、トランジスターの動作点の事情からこの電圧に仕上がっているとみられます。
つまり適当な古い生産ラインでもうまくいく製品です。実に素晴らしい発明ですね。

 
良く知られている特徴としてコンデンサーの容量を間違えると発信します。
あまり知られていない特徴は綺麗なホワイトノイズが出ます。ツェナーダイオードは偏りのあるノイズが出ます。
発信せず増幅出来ればノイズジェネレーターとしても優秀です。
800Hz以降フラットないいノイズですね。
ノイズで優秀というのはデバイス的には不名誉ではあります。オーディオ関係の技術者はシャントレギュレーターはノイズが多く出る点とツェナーと431のノイズフロアの違いを指摘される方がいます。確かにその通りです。オーディオには向かず、デジタル系に向いています。
今回のシミュレートでは431のデバイスが存在しなかったので同電圧のツェナーダイオードを使用しました。
tw勿論431で置き換え可能です。性能はもっと良いでしょう。
ではシミュレートです。

 

4倍の増幅回路です。
交流を増幅する訳ではないので負帰還にコンデンサーやバイアス調整は必要ありません。
電源を12V~15Vを60Hzで波打たせるとても悪い環境です。大きなコンデンサーが故障するとこうなりますが、これほど液漏れしたら基板が壊れているでしょう。
出力電圧調整出来る事を確認するために電源を揺らしています。
24k+560に1kのボリュームで良さそうです。勿論負帰還抵抗の精度は高い物を使います。
これで精度の桁が1つ良くなります。
 
ツェナーダイオードは電流を与えると精度が落ちるようです。
落ちるといっても仕様通りで問題ない&調整の範囲内に収まります。

TL431を追った後続のICも0.5%の精度を持っているのでそれでもいんですがまずは元祖の型番が入手性がいいので使おうと思います。(いまaitendoで0.5%精度の431互換品が売ってるなぁ・・・あれでもいいなぁ・・・)

というわけでRev.2として電源部設計し直しです。

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