1940年代オルガンサウンド, Scanner VibratoをモーターではなくArduinoで回してみる(Delay Lineシミュレート編)

Scanner Vibratoとは?

1940年代にH社の特許 Tone Wheelによって機械式電子オルガンが誕生し、音楽シーンに多大に影響した事は有名ですが、
ビブラート部分は約6.9Hzで回転するScanner Vibratoによって出来ています。更に空間エフェクターであるレスリースピーカーが加わるとあのB-3サウンドが完成します。
その後多くの楽器メーカーが様々な方法を使いシミュレーションされてきたわけですが、フェイズシフター、アナログディレイ回路は一部の現象であって、オリジナルと比較すると随分かい離した物でした。この試みは無駄では無く別方向に好まれる事になります。
それではScanner Vibratoを蘇らせ、Ace Tone TOP-6やYamahaのYC-10やCP-10やSK-10やRoland VK-09(not VK-9)に搭載したいと思います。当時楽器メーカーがやりたかった夢を叶えて本領発揮した姿はどんなものか知りたいと思いませんか?
ちなみにこのエフェクターを搭載すると、あなたの想像するあのサウンドになるはずです。

 

なぜ作られなかった?

回路はシンプルですが実現するには今まで良いデバイスがありませんでした。 
リレーでスイッチングするのも寿命が短いだけで実用的ではありません。OTAでも可能ですが入手性や複雑な回路設計が必要です。作られてはいました。作る人は少ないです。
フォトMOSリレーの出現でこれを思い出し。シンプルに再現しようと思ったのです。 
まだ高額ですけどね。チャレンジはするべきです。

何が起きるのか?

4kHzのパッシブLCフィルターが直列になっているのでStageが増えれば緩いフィルターがどんどん鋭くなります。そして中心周波数の位相も変化するので動かないワウ?トレモロ?そんなイメージではないでしょうか。

Delay Line部分の電圧・電流シミュレーション

シンプルなのは理解しやすく良い事です。 

Phase Shiftが始まると電圧も下がる様子がわかる。

 
 
中心周波数4kHzのLCフィルターが16ステージあり、何も行わない0ステージが存在します。
シミュレートでは16ステージにスイッチを置き動作しています。
1分ほど電流の動きを眺めていれば色々気が付きますよ。
LCフィルターと入力周波数の関係でPhase Shiftが発生します。16Stageあるので生き物のようにポイントが移動します。
電流が左右から集中する所がPhase Shiftが増大し電圧が低下している部分です。
この状態でステージをNight2000のようにスイッチングし、出力を得ます。
キャパシターの能力はシフトの能力、フィルター周波数に影響し、Depthとして50KΩを付けています。
FeedBackも用意していますが、電圧が上がり、Shiftしづらく、レゾナンスを上げる事と同義であり、Depthもあるのでほぼ必要が無いと感じています。
FeedBackするよりもvstプラグインのように2列用意し、別周波数でスイッチングしスレテオ効果を狙った方が面白そうです。
TAP数が多いですが少なければよりビンテージ、多ければスムースなエフェクトが得られるはずです。そしてマイクロコントローラーでいくらでも調整出来るので問題はありません。17bitという部分でソフトウェアが努力すればよいのです。
DepthとSpeedとTAPシーケンスV1,V2,V3,VintageTAP ON/OFFでほぼ完成です。 

OpenHardware化目指してEasyEDAで設計しようかな・・・
 

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