555を使ったエンベロープジェネレーターを基にアジャイル開発(改造)してみたら爆田研らしく爆発したEGが出来た。バーチャルだけどネ。

電圧制御式ADSRの設計?いやいや、Sustain部分の修正です。

私が理想とするADSRはデジタルです。だって小型化出来る事と遅延が少なくなる功績は大きいのです。
今回はその理想をわざと壊して再構成するという内容です。
実際に作りはしませんが回路図を使った頭の体操ですね。 
555を使ったADSRは実に部品も少ない良くできた回路ですが、ModWiggler.comに投稿されたシミュレーションが回答は得られているけど動作が間違ってているままなのが気になっていたので、世界中の555ADSRの製作を検討している人の為に私のアイデアを含め投稿しました。
え?Attackの動きが変?そうですね。入力は2つでOutからは一定の電圧のみ、もう一方は可変電圧。ダイオードに向けての出力は可変電圧です。トランジスターはスイッチングも出来ますが電流が得意なので電圧のコントロールにはFET、スイッチングならMOSFETが適しています。電流や電圧が漏れるとMainCapacitorが持ち上がって良くないのです。アナログスイッチ?でもいいです、それならば周りもアナログスイッチで統一しますね。ともかく電圧制御の回路としてはトランジスター1つでは全然ダメなのです。たまたまそれらしく動いているだけです。ですからSustain以外のADRのトランジスターを抵抗に置き換えて下さい。
そうすればまともなADSRとして動作します。 
このような開発手法をアジャイル開発と呼びます。
自由にデザインしてEGを作っていきましょう。

遅延用にシュミットトリガーICを使っていますが信号の電圧が高い為対策が必要。部品によっては壊れます。

 
 

改造個所解説

Sustainのコンパレーターを使ってDisChargeの封鎖とTriggerResetでAttackまで戻る部分、LED部分が改造個所です。
10mSecOSCと40mSecGateを使ってHandClap信号が作れます。
今はただ置いてあるだけです。
HandClapは10mSecを4回「ぱぱぱぱん」と鳴らします。
EGに組み入れるか独立させるか思案中です。
 

私からの課題です。

「ぱぱぱぱん」と出力するClap回路を完成せよ。
回答は下にあります。

ADLoop機能解説

「我々は宇宙人だ」あるいは風呂上がりの扇風機に向かって「あ゛ーーー」となる機能です。
LFOで実現しようとするとReleaseまでモジュレーションが影響し、不自然ですが、EGにこの機能があれば影響しません。
このままですとADループ状態なのでSwitchを付けるか線を外してみてください。ADSRとして機能しますよ。ADループはLFOを使わなくても連射ボタンが作れるのでいいアイデアだと思いますよ。Sustain値やDecay値を連続変化させるとEMS VCSっぽくって面白いですよ。
 
直流を妨げるコンデンサーと隣の大きな抵抗は立ち上がり、立ち下がり、両方の短いパルスを発生します。CRの値は時定数で決まります。
立ち上がり部分だけ、立ち下がり部分だけを取り出すにはさらに隣のダイオードで削ります。
このように信号に対して半導体を使うと遅延が発生します。やろうと思う処理が増えれば増えるほど半導体が増え遅延が大きくなるのです。アナログで作るデメリットはここです。 勿論1パルス毎に発生回路を用意すれば出来ますよ。
やってやれないことは無い、だがしかしもっと簡単に実現出来るならそちらを選ぶべき。
AttackとDecayが短くなるとLoop間隔は短くなり、Sustainを上げるとLoopを抜け、機能停止します。
そうならないように制限を付けてはいますが実物はトラブルが発生するでしょう。
 
 
555Output = MainCapacitorへの電圧が出てるだけ。この電圧がExponentialの増量に影響する。
 
Decayが降下中の電圧 = Thresholdの電圧

Releaseの戻り先をグランドに落とす = MainCapacitorが完全放電
&& Gate信号がまだ続いている = Attackから動作が開始される

ADSRはあくまでも基本。拡張するならデジタルが良いです。

今555でADSRを作るかと言えば答えはNoです。
私の考えるEGはDigitalEnvelopeGeneratorに近付き過ぎています。
欲が出るとデジタルのほうが開発が楽なのです。 UserInterfaceは今まで酷かっただけです。そうですよね?(Y/N):
さて答え合わせです。といっても複数回答で正解ですから考え方が合っていれば正解となります。
 

先ほどの課題の回答例

 
製品化の予定はありません。勝手に製品化しちゃダメです。
シミュレーションはこちら。

40mSecGATEは-30mVしかなく、シュミットトリガーが使えません。
マイナスの信号をマイナス方向に増幅していく必要がありますので最初のPNPトランジスターで-3Vまで上げています。
PNPの使い方はエミッターとベースに電源、コレクターにグランドなのですが負電源の場合電源はグランドでグランドが-12に相当します。
最初からオペアンプで増幅しようとするとエッジで発信しますのでトランジスター無しも挑戦してみても良い経験でしょう。
一番下列のオペアンプは左から増幅・反転・反転ミキサーとなっています。 
MAX11Vとなっていますが40mSecGATEを12V目標に増幅させオペアンプの限界を超えた分のピークを潰しています。
業界用語で「サチっている」「サチらせた」(飽和=Saturation) と云います。
映像系・3D系でも白飛びした状態はこの言葉が使われますね。
40mSecGATEの終了を待って上のADSRのGATEをキャンセルしてやろうかと思いましたが、出力を独立して取り出せても使えます。上のADSRのGATEをキャンセル出来れば何か出来るか、それはSaxとかFluteのブレスの表現です。
線を上に繋げるだけなんですがAttackがその分出遅れるので更なる改造として進行します。

で、上のEGに繋げても楽しくなさそうなのであきらめました。

ではArch Enemyを聴きながら半日改造を続けてみましょう。

マウスで1つずつツマミ操作してもADLoop,Burst機能があるとヤバイ波形が作れます。
 
大変です!BGMの影響で波形が10Vを越えて燃えています! 紫の炎か・・・
VCAに使うと「じゅ・じょん」と鳴るEGです。
シュミットトリガーは設計自由度が高過ぎて実機との差異が大きいので排除しました。
見た目は派手ですが音は自然です。

 
 

1日経って・・・

さらにすべてのGATEを取り出すことに成功。SustainGATEを作るのに1日かかりました。
GATEからAttackGATEを引き算するのに時差がありどうしても先頭にパルスが現れるのです。
これを解決するにはGATEからダミーパルスを作り引き算しました。 
ADSRすべてのGATEを作る事により 今回のハッキングは終了です。
TestPointをあてて555のEGがどんな動きか確認出来ます。
結局7番ピンのディスチャージは使いません。
555はADの切り替えを行っているだけです。
SはDと一緒に電圧を加えるかDを止めるか、切り替えるかの3通りで作れます。
残った電位でRが出来ています。
ADの動作中でもRに電位が漏れているので正確に分離した方が良い。電圧制御で正確な再現が出来なくなる可能性がある。気にしないなら問題ない。
Decayの隣はNPNトランジスター1つで代用できます。試したかっただけです。
アンペア計で壊れないように、無駄の無い様に値を付けていますがまだどこかに爆弾が仕掛けられているかもしませんので実機でのテストはご注意ください。

 
SustainGATEは凄い回路だなぁ。
ADLoopはSusutainGATEの生成が出来た為簡素になりました。

勉強される方へ

トランジスターの使い方は2種類。

  • ベースに電気を流して遮る
  • ベースに電気を流して電圧をかさ増しして流す
オペアンプの使い方は6種類。
  • コンパレーター
  • 極性反転
  • 電圧増幅
  • ミキサー
  • 減算
  • バッファー 
これらを繋ぎ合わせればどんどんアナログシンセを改造出来ます。

ReleaseGate解説

デジタルシンセのセカンドリリースをアナログシンセで作るにはゲートオフから始まるゲートが必要です。
ReleaseGateがあればPanpotや疑似DelayのGate信号として音作りが可能です。
皆さん何でこの機能欲しくないの?リバーブ入れる?
 
ReleaseGate = Gate信号がOFF & MastarCapacitorは0.1V以上
 
これを回路で表現すれば出来上がりです
 

AttackBurst, ReleaseBurst解説

Attackのゲート信号は555のOutputです。これを使います。
 
AttackBurst = EG-の出力 - AttacLFO
&& 555Outputの電圧が12Vの時

減算するとEG-がEG+になって表れているが、減算よりも乗算か刻んだ方が良いかもしれない。
 
ReleaseBurstのGate信号はReleaseGateを使う。
AttackとReleaseは時間的に重なる事は無いので減算回路は共用している。
EG出力とは別の出力となる。
 
減算しているにもかかわらず出力が大きいのでどこか間違っている可能性が高い。
減算ではなくNAND回路のほうが使いやすい気もします。
LFO入力が無ければただのEG+と同じ出力です。
ReleaseBurstはFidget HouseやElectro House向けかもしれません。

なぜAttackとReleaseにこの機能を付けるのか?

自然界の振動や摩擦をシミュレートするのにはAttackとReleaseにノイズに近い波形が現れるためです。
そもそもADSRは自然にある音の抽象モデルなのでこの機能はEGにあるべきです。
Stutter機能はここに含みますか?それはVCAの役割ですね。

Voltage Controlledはどうする?

面倒なので他人に任せたい。以上。 

こんなに詳細な情報公開してるんだから誰か実験してみてネ~。

コメント